なんとかブログEL

なんとかキララEL@今池壁ドンズさんのブログですね

自己破壊経営 ミクシィの社長の本を読んだ

本当は九州大会の振り返りのブログを書こうとしたのだけど

先に感想を書くことにしましたよ

先日の大会のこととか、名古屋会場のこととか書きたいことがたくさんあるんです、そんな中この本がAmazonさんから届いてしまったのです。そうなると、読みたくなっちゃうのがサガってもんじゃないですか。本を読んだら先に感想をまとめるってことが大事じゃないですか。人によるかもしれないけれど。 f:id:nantoka_el:20181210190457p:plain

ビジネス書は読んだら感想書書くって決めてる

モンスト関係ないけど、ビジネス本とか自分の人生に活かせるかもしれないって思った本は感想を書くのを超オススメします。本良く読む人はやってると思うけど。ただ、この本「明日からカンタンに活かせるなにか」はあんまり詰まってません。読むことによってなにかが出来るような本ではありません。でもジャンルで言うならビジネス本だと思います。読んだ後の効能として、魂を込めた仕事がしたくなりました。

魂を込めた仕事のかっこよさよ

最近、仕事してないんすよ、自分。もちろん自分が食っていく為に最低限の収入を得る為の方法は摸索してるし、それを実行しているのでなんとか飯は食えているんですが、皆さんもご存知の通り私、モンストのプロプレイヤーとして活動しているのでそちらに集中しているってのもあり、仕事っていう仕事に携われていないんです。

改めて自己紹介しておくと、私、サラリーマンじゃないんです。自営でwebディレクターとかその手のことをしておったんですが、ここ数年ざっくりニートですわ。霞と賞金を食って生きてます。

仕事とは

魂込めた仕事がしたいーーここで言う仕事とは、お金をもらうことが仕事とか、決められた事をやることを仕事とはしておらんです。お金を手に入れるだけならYouTubeに転載動画載せたり、有る事無い事まとめたPV稼ぎのまとめブログでもやってりゃなんとか食っていけるでしょうよ。お祭りの次の日に朝方落とし物の財布を探す生活でも生きていけるでしょう。

ここで僕が言う仕事とは、自分の思い描いた絵を世の中にぶちまけて、それを世の中に浸透させてビジネスとしてぶん回すこと。そして、それに魂の全力を注ぐこと。こんな感じ。

将来の夢みたいなもんが浮かんでしまった

自分語り

自分、いい歳ですが2018年になって夢みたいなものが出来てしまっていたんです。e-sportsとか言われる分野に自分の一生とは言わないけど半生を捧げてみたい。そんな風に今、思っています。特にモンスタ関連。

自分たちは今モンストグランプリ、モンストプロツアーなどで現役プレイヤーとして活躍させてもらっております。プレイヤーとしてではなく、別の角度から未来を作ることができるんじゃないのか、なんて考えることもしばしばございます。

未来の自分語り

まだまだプレイヤーに対する環境はよく出来ると思うし、未来のプレイヤーがプロになり、プロとして食っていくにあたって環境は十分でないと言えます。どうしたらゲームが上手で世界を沸かせる人が食っていけるようになるのか、とか未来のチャンピオン達のために自分がなにかを担えたらなぁなんて思うことも増えてきました。

まだまだ現役のつもりですが、自分の経験を活かして引退した方が結果市場が潤う、と思ったどこかのタイミングで引退するかもしれないですね。もっと言うなら自分がプロやりながらプレイヤーの為に出来ることとかそれを目指す人たちのためにできることとか。そんな事考えちゃいます。

話逸れまくりましたね、すんません。

さっそく、どんな本か。

敢えて一言で言うなら、木村さんの事がよくわかる本である。モンストの次の獣神化キャラとかは書いてないので、その辺を期待してはいけない。モンストのファンブックではない。なぜ閃きの闘技場が追加されたか、とかそういうのもない。その辺は我らがテルーマンの自伝書の発行に期待しよう。

この本は、ざっくり以下の構成で成り立っています。(正しい章の名前は違うので本買って確かめるとよろし)

  1. モンストリリース前夜までの株式会社ミクシィの葛藤
  2. モンストにはこんな魂がこもってる
  3. 木村社長はこうして出来上がった
  4. 株式会社ミクシィの未来への企み

こんな感じ。全部に200〜2000文字くらいの感想をつけていきます。

1.モンストリリース前夜までの株式会社ミクシィの葛藤

モンストが出来るまでの葛藤や、モンストがリリースする前に懸念されていたことや計算ずくであったことなどが色々と書かれていて大変おもしろい。この本全編通して言えることなのだが、この木村さんという方は、ガチガチのロジカルな思考をする方なのに、ときにKPIを意図的に無視する。

感情論に流されない為のKPIだが、数字では測れないし説明するのが難しい言葉にできないなにか直感のようなものを大事にしているのでしょう。そんなところが見え隠れしてすごく面白い。経営者やプロジェクトマネージャーの方は共感できる人も多いのでは?と感じた章でした。

2.モンストにはこんな魂がこもってる

文字になったものを見てみると想像以上だった。XFLAGのロゴにはBBQと入っており、それがそのまま「バーベキューをみんなでやるが如くワイワイと」の意であるのは、モンストファンの多くが知っているとは思うが、「ここまでかっ」と感じた。

モンストはご存知の人も多いと思うが、知らん人とのマルチプレイを推奨していない。インターネットによるコミュニケーションには、匿名であれる側面 というのが良くも悪くも存在するのですが、その裏側のであるリアルソーシャルmixiというSNSから株式会社ミクシィが最も大事にしているもの。そこを徹底的に寄せた戦略だったのだ。

余談だけど、昔自分の書いた企画書的なもんがあるのだが その中で僕はネット内の人格を実名・仮名・匿名・偽名 とジャンル分けをし、facebookを実名。仮名をTwitter、匿名を2ちゃんねるとしたのだが、mixiは実名で使われたいのに(実名登録を推奨しまくってた)仮名・偽名を好むユーザーに使われて廃れたとその企画書に書いた。余談終わり。

mixiに込められた思いは、僕が思うに知らん人と知り合うツールではなく、知ってる人とコミュニケーションをとるツールであること。それはモンストにも心地よいくらい引き継がれていた。

そして同じ時間を過ごす人と、有意義に過ごせたらもっとよくなる、という魂がこもってる。

そして流行らせるのに、バイラルマーケティング頼み。招待制で爆発的にHITしたmixiのノウハウを思いっきり採用してる。会社の知的資産というか、秘伝のノウハウってすごいなぁと感心しまくった。

そして、ミクシィさんのインタビューなどでよく出てくる「ユーザーサプライズファースト」の考え方について面白い例が乗っていたのが印象深かった。

「お仏壇のはせがわ」のCM曲のパロディ音楽を流して話題となりました。
「パロディなんて不謹慎ではないか」と怒る人がいても
ユーザーを驚かせることを優先すべきだと考えています。

ここまで来ると、今後何をされるかわかったもんじゃねーなと強く感じました。

そして、この章を読み解くと、よく、アプデとかのたびにTwitterで「ソロ勢不利かよクソが」みたいなものを見かけますが、この会社の社長は、友達とワイワイ遊んでもらってユーザーを驚かす事しか考えてない。諦めて友達と遊んだ方がいいと強くおもいました。

そして、興味深いなぁと思ったのは以下の事例でした。

神化させたモンスターを友達に売られてしまったとカスタマーサポートに相談があった。
話を聞くと、どうやらイジメに悩んでいるらしい。
それなら、と私たちは売られたモンスターをもとに戻すという対応を取りました。

他にも

病気でモンストがうまくいかないという相談があった。退院後、自宅に伺って「一緒にやりませんか」
といって、弊社のカスタマーサポートの人間が操作方法を教えながら一緒にプレイしたことがあります。

なんというか、良い意味で人間臭い人たちが作ってるサービスだなぁって思ってしまいました。 人間くさい人たちが人間同士のコミュニケーションの為に作っているのだなぁとよくわかるエピソードでした。

あまり本文抜粋を繰り返すと実際に読んだ方のネタバレになってしまいかねないので控えたいのですが、この章で印象的だった点だけ引用しておきます。

モンストが拡大していく中で、どうしても実際に会えない友達もいることがわかってきました。
遠距離のいわゆる非同期型のコミュニケーションで友達との関係を支えていくことは、いわゆるSNSが
担っていた役割でしたが、モンストの中にもその側面が多少はあっていいのではないかと考えました。

しかし、実際にあって遊んだ方が楽しいという思いは変わっていません。
遠隔のプレイで終わってしまうのではなく、いつかは一緒に遊べる日を迎えるために、
その関係性を保持するという意味で保管的にこの機能を追加したのです。

この機能というのは、遠距離マルチと記載されており、いわゆるLINEマルチの事なのか、フレンドマルチの事なのかはわかりませんが、モンストが既存の関係のある人と人をつなぐリアルソーシャル上だけで行われるツールという面を重視しているのは重々承知した上で

人と人を新たにつないでしまっている側面をも持っている点はもはや揺るがない事実であり、それをご理解頂きたいとは、はるか昔から思っていて いつか提案したいですとも中の人に伝えたことがあります。

(今でこそゆるゆるですが、はるか昔、「視聴者マルチってダメなの?堂々としたいのだが!」という話を提案したかったのですが、なんかいつの間にか緩やかになってました。)

そして、その時自分が感じていた「いつか一緒に遊べる日を迎えるために」という文章におぉーと思いました。

この章モンストに深く関わるから面白いんで、話長くなっちゃった。

モノづくりの点においても、ユーザーに提供するモノの点でも「顔を合わせる」という点にフォーカスしまくってるのが大変気持ちの良い章です。

3.木村社長はこうして出来上がった

この章は、ミクシィ社長の木村さんがどうやって出来上がっていったのかが赤裸々・・ってわけでもないけど経歴などと共に書かれている。この章を読んで、あぁこの人天才肌なんだろうなぁって改めて思った。今まで見た方で天才って感じる人の一つの共通点に「自分の弱みも強みも面白いくらいに把握している」という共通点がある。もろ天才のそれである。

僕は、木村社長と4回(たぶん)お会いした事があるのだが、その時に言われた言葉を思い出してみた。

1回目。モンストグランプリ2016CS トロフィー授与の時

この時がファーストコンタクトである。もちろん僕は一方的に知っていた。

木村さん「こんなゲームは作った覚えがない 機械のように正確だった」
ルーマン「本当に人間ですか」
キララ(愛想笑い)

こうしてみると、木村さんは例えを使って褒めてくれてるのに、テルーマンの凶悪な一言により悪口に聞こえてしまっていたのだったと今気がついた。この後、私はゴリラのものまねをするというボケをかましたのだが、緊張のせいか上手くできていない。恥ずかしい。黒歴史だ。

2回目。モンストナイトでたまたまお会いしたのです。

2016CSが終わって半年くらいたったときだったでしょうか。モンストナイト初開催の時に、応援してくださっている方に「よう全一!!写真を撮りましょう!」と声をかけられました。

そこで「撮りましょー!撮りましょー!!」といった時に目の前に木村さんがいらっしゃって「シャッター押しましょうか」と。

「バカな事いってたらいかんですよ!総監督。一緒に写りましょー!」と言うと、「いやぁ僕なんて作り側の人間ですから」とすっげー謙虚にいらっしゃって。

一緒に写真を撮ろうとしてた方は「全一と総監督と撮りたいです!!」と興奮気味。 「では・・自分みたいなもんが失礼します・・」と言う温度感でカメラの前に構えると、おもいっきり舌を出して超変顔でパシっと写真に写ってらっしゃいました。(Wさんこの時の写真まだ残ってたらぜひDMくださいっw)

あぁこの会社は変な人達で構成されているのだ、と安心したことを覚えています。

4回目。エクパ18打ち上げ。

「しゃっちょう!おつかれさまでございましたァァ!!」と挨拶をしたのですが「いやーいいよね。壁ドンズ。キララさん。ネット上で嫌われてるくらいがちょうどいい! あはっ オーブ50個ありがとう!」と。

びっくりしますよね。我々のアンチの多さを知った上で、かつ、それをよしとするなんて。2018CSで再度優勝した壁ドンズ。要はモンストを代表するチームなわけですが、その嫌われる原因の99%を占める私に向かって「それくらいでちょうどいい」ですもん。

この人の目指す世界観はどこにあるのかわからないなぁと思っていたけど、この本を通じてリアルソーシャルを重視するこの人にとって、それはどうでもいいことなのかな、って思いました。なんというか、点が線でつながった感じがして気持ち良かったです。

4. 株式会社ミクシィの未来への企み

今後の事業(特にスポーツ・ウェルネスについて)が書かれている章でした。これを読んで勝手に思い出したのは高杉晋作の辞世の句。

おもしろき こともなき世を おもしろく   /高杉晋作が詠んだらしい

スポーツはもっと面白く出来る、健康の為のコミュニケーションをより面白く みたいな共通項があるように感じました。この章を見て、「あぁ今後 我々が遊んでるモンストっつーゲームは、こっちに進んでいくんだろうなぁ」と色々勝手に感じました。

まとめの感想。

どうやったら円滑に行くか、社内コミュニケーションと顧客コミュニケーション、後者を大事にしまくっている反面、前者も超大事にしており、ロジカルに考えながらも一本ロジカルになりすぎなかった事が成功した秘訣、と書いてあるような気がしました。

こういった自伝的な本は、「この時こう苦労して、こう解決した」というストーリーが大半を占める印象がありましたが、どちらかというと決して常に順風満帆だけだったとは思えなかったモンストですが、舵取りをしていた木村さんが自伝を認めるとこうも成功談ベースになるのか、というのが印象的でした。

それは、先見性の強さとプラス思考である2つの要素が大きいと思っていて「大物っていわれる人はだいたいそうなんだよなぁーくぅー!」と唸らされる 同じ大人として嫉妬してしまうような感想を持ちました。

即効性のあるビジネス本ではないけれど、考え方とか仕事に熱くなりてぇ!とかコミュニケーションに躓くプロジェクトマネージャーの方とかは読んで なにかハッとさせられる本なのではないかな、と思いました。

ってことで感想文おしまい! 皆さんも読んでみてはいかがでしょーか。